西武鉄道では、2024年4月1日より、西武池袋線の6駅(武蔵藤沢駅、稲荷山公園駅、仏子駅、元加治駅、東飯能駅、高麗駅)を遠隔対応駅へと体制を変更しました。
各駅の様子を見る限り、完全な無人にはなっていないようでしたが、窓口での対応は全駅で終了しています。
各駅の設備の状況を現地画像で紹介するとともに、電車に乗車する際のチャージや・降りる際に精算が必要な場合など、どのように駅を利用すればいいのかを解説します。
西武鉄道の駅営業体制の変更(無人駅化)の概要
西武鉄道は、2024年4月1日より、武蔵藤沢駅から高麗駅間の各駅において、駅係員による窓口対応を終了しました。(入間市駅・飯能駅を除く)
これにより、武蔵藤沢駅、稲荷山公園駅、仏子駅、元加治駅、東飯能駅、高麗駅、計6駅が遠隔対応駅となりました。
これらの駅で、駅係員へ問い合わせをする場合は、新設されたインターホンを利用します。
インターホンは青色で、券売機付近や、精算機付近に設けられています。
券売機の利用方法が分からない場合などは、「よびだしボタン」を押して、駅係員さんと通話することが出来ます。
西武線の無人駅は2023年から始まっていた
なお、このたび遠隔対応駅となった高麗駅から先の区間である、西武秩父駅までの区間においても、駅係員が常駐しない営業体制がとられています。
こちらは、1年ほど前の2023年3月1日より営業体制を変更しており、武蔵横手駅、東吾野駅、西吾野駅、正丸駅、芦ヶ久保駅が対象です。
2024年4月に遠隔対応駅が増えたことにより、武蔵藤沢から西武秩父までの16駅に、12駅の無人駅が存在することになります。
西武線の無人駅から乗車する場合
西武線の無人駅(巡回対応駅と、遠隔対応駅)から電車に乗る場合は、交通系IC(PASMOなど)を利用するのが便利です。
交通系ICは、係員常駐駅と同様に、自動改札機にタッチして乗車してください。
残額不足で入場できない場合は、自動券売機でチャージをしてから利用します。
残額不足以外の理由で自動改札機を通れない場合は、備え付けのインターホンで係員と通話を行います。係員の指示に従うことで、自動改札機を通過することができます。
西武線の無人駅で降車する場合
西武線の無人駅(巡回対応駅と、遠隔対応駅)で電車を降りる場合は、乗る場合と同様に、交通系IC(PASMOなど)を利用するのが便利です。
残額不足で出場できない場合は、自動改札機付近に設置されている自動精算機を利用します。
残額不足以外の理由で、自動精算機が利用できない場合などは、備え付けのインターホンで係員と通話を行います。係員の指示に従うことで、自動改札機を通過することができます。
特急券や指定券を購入したい場合
特急券(ラビュー・レッドアロー)や、指定券(S-TRAIN・拝島ライナー)を購入したい場合は、以下の特急券・指定券発売駅で購入することが出来ます。
購入駅までの移動は、自動券売機で「定期券購入乗車券」を先払いで購入し、特急券・指定券購入駅で払い戻しを受けます。
西武線の無人駅から最寄りとなる特急券・指定券発売駅
- 小手指駅
- 狭山ヶ丘駅
- 入間市駅
- 飯能駅
- 吾野駅
- 横瀬駅
- 西武秩父駅
通勤定期券を購入したい場合
通勤定期券を購入したい場合は、各駅の自動券売機で購入することが可能です。
西武線各駅では、「定期券」表示のある券売機で、初列車から終電車まで通勤定期券の購入が可能です。(クレジットカード利用の場合は23時まで)
新規に通学定期券を購入したい場合
通学定期券を購入したい場合は、係員が常駐している最寄りの駅で購入することが出来ます。
通学証明書が必要になるので、あらかじめ準備して係員常駐駅へ向かいましょう。
購入駅までの移動は、自動券売機で「定期券購入乗車券」を先払いで購入し、特急券・指定券購入駅で払い戻しを受けます。
西武線の無人駅から最寄りとなる新規通学定期券発売駅
- 小手指駅
- 狭山ヶ丘駅
- 入間市駅
- 飯能駅
- 吾野駅
- 横瀬駅
- 西武秩父駅
通学定期券を継続で購入したい場合は、通学証明書の確認を省略できる場合があります。
また、モバイルPASMOを利用することで、スマホから通学定期券を購入することも出来ます。
参考:通学定期乗車券購入時における通学証明書類の確認省略について
西武線の無人駅から乗降時に係員のお手伝いが必要な場合(車いす利用など)
乗降時にお手伝いが必要な方が、無人駅から西武線に乗車する際は、インターホンでその旨を申し出ます。
また、スムーズに利用するためには、前日までに連絡することが推奨されています。
※当日に申し出る場合だと、時間がかかる模様です。
2024年4月現在:遠隔対応駅を含む西武線各駅の現況(武蔵藤沢~高麗)
ここからは、2024年4月1日より遠隔対応駅化が始まった、武蔵藤沢から高麗までの各駅の様子を紹介します。
武蔵藤沢駅(遠隔対応駅)
武蔵藤沢駅は埼玉県入間市にある西武池袋線の駅です。駅番号はSI21。1日の乗降人数は21,288人。(2022年度)
武蔵藤沢駅は橋上駅舎となっており、改札口は1カ所です。
改札外から見た窓口付近は、このようになっています。
オープンカウンターへの出入り口は、レンタル用モバイルバッテリーの筐体が置かれており、物理的に進入することができなくなっています。
券売機付近には、インターホンを新設。
こちらは、改札内から見た精算機付近の様子。
精算機の横にもインターホンが新設されています。
稲荷山公園駅(遠隔対応駅)
稲荷山公園駅は埼玉県狭山市にある西武池袋線の駅です。駅番号はSI22。1日の乗降人数は8,657人。(2022年度)
稲荷山公園駅には北口と南口、2カ所の改札が設けられています。
北口改札付近の窓口には、目張りがされており、人の雰囲気が感じられませんでした。
北口改札の精算機には、インターホンが新設されています。
稲荷山公園駅の南口がこちら。
稲荷山公園駅の南口は、以前から無人でしたが、今回の遠隔対応駅化によって、インターホンが更新されています。
2番ホーム、飯能方面行きのホームには精算機が設置されています。
こちらの精算機横にも、インターホンが設けられています。
入間市駅
入間市駅は埼玉県入間市にある西武池袋線の駅です。駅番号はSI23。1日の乗降人数は28,740人。(2022年度)
今回の遠隔対応駅化の区間(武蔵藤沢~高麗)では、飯能駅と共に係員常駐駅として残存しています。
入間市駅ではオープンカウンターも健在であり、特急券や定期券の発売も行っています。
仏子駅(遠隔対応駅)
仏子駅は埼玉県入間市にある西武池袋線の駅です。駅番号はSI24。1日の乗降人数は8,963人。(2022年度)
仏子駅には、北口と南口、2カ所の改札が設けられています。
仏子駅北口の様子はこんな感じ。
遠隔対応駅用のインターホンが設置され、オープンカウンターへの出入り口はモバイルバッテリーの筐体で塞がれています。
各駅の床下には、点字ブロックの修正を簡易的に行った跡が見えます。
仏子駅北口の精算機にも、手狭なスペースに遠隔対応駅用のインターホンが設置されています。
こちらは南口。
こちらの精算機も、手狭なスペースにインターホンが設置されています。
仏子駅南口の利用時間は、6時30分から終電までとなっていましたが、遠隔対応駅となった2024年4月1日より、初列車から終電車まで利用することが出来るようになりました。
元加治駅(遠隔対応駅)
元加治駅は埼玉県入間市にある西武池袋線の駅です。駅番号はSI25。1日の乗降人数は6,373人。(2022年度)
元加治駅では、1999年から2009年までの間、無人駅であった歴史があります。
2009年に再び有人駅化されて、2010年にはオープンカウンターも設置されました。
しかし、2024年4月に遠隔対応駅となり、再び無人駅となってしまいました。
新設されたオープンカウンターは、14年ほどしか使用しておらず、短い使用期間でした。
遠隔対応駅用のインターホンには、よくみると点字のシートが貼付されています。
元加治駅の精算機にも、このようにインターホンが設置されています。
飯能駅
飯能駅は埼玉県飯能市にある西武池袋線の駅です。駅番号はSI26。1日の乗降人数は26,414人。(2022年度)
今回の遠隔対応駅化の区間(武蔵藤沢~高麗)では、入間市駅と共に係員常駐駅として残存しています。
飯能駅では、これまでと同様に係員が常駐しており、特急券などの乗車券類を購入することが出来ます。
東飯能駅(遠隔対応駅)
東飯能駅は埼玉県飯能市にある西武池袋線の駅です。駅番号はSI27。1日の乗降人数は4,965人。(2022年度)
東飯能駅には、JR八高線も乗り入れており、西武線とJRの改札はそれぞれ独立しています。
JRの改札は、すでに遠隔対応駅化されており、一部時間帯を除き係員は不在となります。
今回の変更で、西武鉄道の東飯能駅も遠隔対応駅となったため、JRと西武の双方の改札で係員が不在となります。
西武線の東飯能駅の改札では、窓口のカーテンは閉め切られています。
券売機付近には、各駅と同様のインターホンが備えられています。
精算機付近にも、同様にインターホンが設置されています。
高麗駅(遠隔対応駅)
高麗駅は埼玉県日高市にある西武池袋線の駅です。駅番号はSI28。1日の乗降人数は2,183人。(2022年度)
秋の曼殊沙華の時期には多くの人でにぎわう高麗駅ですが、遠隔対応駅となりました。
(※多客時には、一時的に係員が配置されることもあります。)
高麗駅の精算機付近には、インターホンが設置されていました。
ちょうど、これを利用している方のいる様子が見て取れます。
改札窓口は目隠しがされ、中の様子をうかがうことは出来ません。
2台の券売機の間には、インターホンが設置されています。
まとめ:西武線の遠隔対応駅でもスムーズに利用する方法を事前に知っておこう
2024年4月1日より、西武鉄道の武蔵藤沢駅から高麗駅の間で、係員不在の遠隔対応駅が増えました。
各駅では、精算機や券売機付近にインターホンが新設されており、不明点などはこちらから問い合わせが出来るようになっています。
乗車時のお手伝いが必要な方は、前日までに申し出ることが推奨されています。